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赤ちゃんが欲しい 2015春2015/04/05

『赤ちゃんが欲しい 2015春』に掲載されました。

 

 

 

Q.やせすぎが原因で妊娠しにくいことってあるのですか?

太りすぎは妊活によくないと思っていましたが、やせすぎも問題らしいと、最近聞きました。現在、身長161㎝、体重46kgです。もう少し体重をふやしたほうがよいのでしょうか?なかなかふえないのですが、どのようにふやすのが理想的ですか?
(静岡県・K・Mさん 36歳 赤ちゃんがほしい歴2年)

【お答え 右島富士男先生】
北里大学医学部卒業。北里大学産婦人科、IVFなんばクリニックなどをへて、2010年に立川ARTレディースクリニック開院。スタンフォード大学・ノースウエスタン大学産婦人科への留学経験をもとに、情報交換しながら最先端の医療を提供「幸せを実感できる医療を提供すること」をモットーに治療にあたる。

A.食事の内容を見直しましょう。実践すれば体は変わっていくので、たとえ体重がふえなくても大丈夫です。


Q.やせていると、妊娠にどんな影響があるのですか?
A.このかたの身長と体重を肥満度などをあらわす体格指数であるBMIで計算すると、17.7で「やせすぎ」になります。BMIは体重(kg)÷【身長(m)× 身長(m)】で計算し、日本では22が標準体重で、25以上が肥満、18.5未満が低体重(やせ型)とされます。
もともとの体格もありますが、標準体重だったのがやせた場合や、短期間で5~10kgといった極端な体重減は注意が必要です。体重が減るということは生命の危機ですから、生命を維持するために、脳は妊娠の機能をあと回しにする指令を送ります。その結果、性腺刺激ホルモンの分泌が抑えられ、卵胞の発育がストップ、排卵が止まります。これが続くと排卵しにくくなり、やがて無月経になることが。卵巣への血流も悪くなり、卵巣にある卵子の数が減り、また子宮も高齢者のように萎縮することがあります。

Q.肥満と妊娠の関係はどうでしょうか?
A.太りすぎは、妊娠にかかわるホルモンが十分に分泌されずに排卵障害を招くことに。卵胞が一度にたくさん育ち、皮膜がかたくなってうまく卵子が飛び出せない多嚢胞性卵胞症候群(PCOS)は、肥満の人や糖尿病予備軍の人に多く見られます。適正体重に近づけることが大字ですが、ダイエットに失敗してリバウンドを繰り返すと、やせにくくなってしまうので、無理のない方法でとり組むことが大字です。

Q.やせすぎも太りすぎも、妊娠によくないのですね。適正体重をたもつにはどうしたらいいでしょうか?
A.栄養バランスを考えた食事、運動、睡眠、喫煙と飲酒を控え、十分に日光を浴び、体を冷やさない、規則正しい生活が基本です。卵巣への血流が悪くなる、卵子の質が落ちる、低出生体重児のリスクが高まるなど、喫煙の害はよく知られています。一方飲酒は、アルコールを代謝するときに生成されるアセトアルデヒドの影響が心配です。卵巣内にある卵子そのものに影響を与えるおそれもあるので、妊活中は控えるのが無難です。

Q.では実際に、どんな食事をとればいいのでしょうか?
A.まず、肉や魚、大豆食品や卵などのタンパク質を十分にとること。牛・豚・鶏・羊など肉の種類は問いません。それから野菜はたっぷりとって、ご飯やパン、パスタなどの炭水化物を減らします。2013年、米国産か婦人科学会(ACOG)は「高タンパクで糖質を抑えた食事は体外受精の受精率を向上させる」と発表しました。それによると、1日のカロリー摂取量のうち、タンパク質に由来する熱量が25%以上で糖質(炭水化物)由来の熱量が40%以下の食事をとっている女性では、タンパク質に由来する熱量が25%未満で糖質由来の熱量が40%以上の食事をとっている女性とくらべて、体外受精の妊娠率が4倍に増加したとのこと。私自身も、患者さんが食事を帰ることで、体外受精の受精卵の分割がよくなることを経験しています。食事を変えて2~3ヶ月あれば良好な卵に変わっていくようです。

Q.しっかりと食事がとれていれば、体重がふえなくても心配しなくていいのでしょうか?
A.そのとおりです。この食事改善をすれば、体重がなかなかふえないというやせ型の人でも、ちゃんと栄養が吸収されて体は変化していきます。それでも、職が細くて一度にたくさん食べられない人は1日3回ではなく、食事回数をふやしてみてください。また、食事だけでは十分な栄養がとれないと心配ならば、サプリメントを併用してもいいでしょう。プロテイン(タンパク質)や、脂肪を燃やすアミノ酸であるL-カルニチン、ラエンネック(豚の胎盤エキス)、エネルギー代謝に役立つとされるATP(アデノシン3リン酸)などがいいでしょう。
また女性は、おなかの赤ちゃんの初期の発育に欠かせない栄養素である葉酸を積極的にとってください。男性は亜鉛を含むカキなどがおすすめです。また、抗酸化作用のあるリコピンを豊富に含むトマトジュースを飲み続けることで精子の運動率が上昇、精液中の白血球数が改善されたというデータもあります。

Q.食べるものが私たちの体をつくるということを忘れてはいけないですね
A.毎日大きくなっていく卵胞をイメージしながら、おいしく楽しく食べ物と食べ方を変えていきましょう。おなかの赤ちゃんに栄養を与えるのは、母である自分自身です。
そして、赤ちゃんのもとになる卵子に栄養を与えるのは、やはり自分しかいないのです。ぜひ意識してとり組んでみてください。


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