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不育症について

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自然流産を繰り返して生児を得ることが困難な状態を言います。
2回の自然流産を繰り返すものを反復流産と呼び、3回以上繰り返すものを習慣流産と呼びます。
両者を含めて不育症と言います。不育症の原因は様々で多岐に渡ります。

不育症の原因と治療

不育症 表

  • 1.子宮形態異常
    子宮形態異常の治療は一般に手術療法での治療になります。粘膜下子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、中隔子宮の場合は経頚管的切除術(TranscervicalResection:TCR)を行います。筋層内筋腫が子宮内膜に対し干渉がある場合には筋腫核出術の適応となり、専門の病院を紹介します。
  • 2.自己免疫異常、3.血液凝固異常
    抗リン脂質抗体症候群が存在する場合、低容量アスピリン療法とヘパリン併用療法を行います。NaturalKiller(NK)細胞活性が高い場合はピシバニール療法の適応となります。血小板凝集能が高い場合は低容量アスピリン療法の適応となります。また、自己免疫異常の程度により漢方薬での治療や漢方薬と低容量アスピリン療法の併用療法を行います。
  • 4.内分泌学的異常
    LH,FSH,E2を測定することによって卵巣予備能を評価することができます。
    また、月経周期の異常の有無や超音波断層診断そしてホルモン値を評価することによって多嚢胞卵巣症候群等(PolyCysticOvarySyndrom:PCOS)の診断を行うことができます。PCOSはインスリン抵抗性を合併していることが多く、PCOSを疑う所見があれば空腹時血糖値とインスリン値を測定することによってインスリン抵抗性を評価することが出来ます。インスリン抵抗性を合併している場合には不育症との関連も示唆されているため、メトフォルミンの投与を行います。
    高プロラクチン血症は不育症の約15%に認められます。高プロラクチン血症は下垂体腺腫、甲状腺機能低下症や薬剤性のものも存在しますので、これらの疾患の評価も同時に行います。また、TRH負荷テストにより潜在性高プロラクチン血症を診断出来ます。高プロラクチン血症の場合にはテルロンやカバサールの投与を考慮します。
    黄体機能不全が存在する場合には黄体ホルモンの投与を行います。
    甲状腺機能は低下症や亢進症のいずれの場合でも流産や死産率を高めるとの報告があり精査および治療を受けていただく必要があります。
  • 5.感染症
    膣内常在菌叢の異常やクラミジア・トラコマチス感染症の存在は流産・早産の原因となるため異常が認められた場合にはご夫婦いっしょに治療を受けて頂く必要があります。
  • 6.染色体検査
    不育症患者ではご夫婦どちらかが染色体異常ある頻度が約2.2%と高い確率で存在します。習慣流産の原因としては転座が問題となります。相互転座、Robertson転座、逆位など、表現系の異常を伴わない均衡型の構造異常が一般集団に比較し、それぞれ15倍、5倍、20倍存在します。治療法がないため、十分なインフォームドコンセントが必要になります。

不育症の検査種類

  • 子宮形態検査
  • 免疫学的検査
  • 凝固系検査
  • 内分泌学的検査
  • 感染症検査
  • 染色体検査

主な不育症のリスク因子と治療法

主な不育症のリスク因子と治療法を紹介します。
不育症の一次スクリーニング検査や治療のほとんどは、健康保険が適用されます。

  • 夫婦の染色体異常
    夫婦のどちらかに、「均衡型転座」などの染色体異常がある場合、流産を繰り返す確率が高くなります。「転座」とは、染色体の一部が入れ替わることで、遺伝子情報には変化がないため本人には表立った異常はありません。ただ、卵子や精子がつくられる際に染色体の一部に過不足が生じ、流産などを誘発。ただし、「均衡型転座」は最終的に60~80%が無事出産しています。
    ■検査と治療法
    血液検査でわかりますが、遺伝カウンセリングを受けた上で、実施するかどうかを夫婦でしっかりと話し合う必要があります。染色体異常がみつかった場合、「着床前診断」という選択肢があります。体外受精時に、受精卵の染色体や遺伝子を調べ、異常の可能性が低いものを子宮に戻すというものです。
  • 母体の内分泌異常
    甲状腺機能亢進・低下といった甲状腺ホルモンのバランスが崩れる病気や、糖尿病などの持病があると、流産のリスクが上昇します。甲状腺機能亢進・低下を治療しなかった場合、妊娠成功率も25.0%と低いという厚生労働省不妊症研究班の調査結果もあります。持病をきちんと治療をしてから、妊娠計画を立てることが大切です。
    ■検査と治療法
    血液検査でわかります。異常がみつかった場合は、内科医と婦人科医が連携をとり、まず原因となる病気の治療を優先させ、症状を落ち着かせてから妊娠を目指します。多くの場合、妊娠中も治療を続けます。甲状腺機能の異常には、自己免疫疾患が隠れている場合があるため、抗リン脂質抗体の検査も必要になります。
  • 子宮の形態異常
    子宮の形が正常でない状態で、程度の軽いものから重いものまで、さまざまな種類があります。その中で流産の原因と考えられているのは、中隔子宮や弓状子宮、双角子宮などです。中隔子宮は流産率が約50%と高いことがわかっています。ただ、子宮形態異常があっても、普通に妊娠して出産できる人は大勢います。
    ■検査と治療法
    超音波検査や子宮卵管造影検査で診断します。治療法は手術ですが、本当に手術が必要かは慎重な判断が必要。中隔子宮と双角子宮の場合、厚生労働省不妊症研究班の調査では、中隔子宮は手術をした方が経過観察よりも妊娠成功率が高く、双角子宮では手術でも経過観察でも変わらないという結果。ただ一方で、特に治療を施さなくても最終的には約8割が出産できたという報告もあります。
  • 抗リン脂質抗体陽性
    不育症の原因の中で、唯一治療法が確立している病気です。自己免疫疾患の一つで、血栓症や不育症を引き起こします。流産の原因としては、胎盤に血栓ができるためと考えられていましたが、近年の研究では、胎盤を作る毛細細胞に障害が起こり、胎盤本来の働きが失われるためとする結果も。妊娠中は血栓ができやすいとされています。血栓症のリスクも高いため、軽度でも治療が必須です。
    ■検査と治療法
    血液検査により、抗リン脂質抗体「陽性」が出て、さらに12週間「陽性」状態が続くと抗リン脂質抗体症候群と診断されます。抗リン脂質抗体症候群の人は、妊娠中の血栓症のリスクが高まるため、血液をサラサラにして血栓を予防する低用量アスピリンを服用して治療します。ヘパリン注射との併用療法が行われることもあります。

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