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女性不妊症についてexamination01

    女性不妊症についてexamination01

    不妊症について

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    不妊症は、生殖可能な年齢にあり、正常な性生活を営んでいる夫婦が、一定期間以上にわたって妊娠しない状態を言います。

    日本および世界的にもその期間は1年が一般的となっていますが、不妊症の原因によっては、1年待たずして、不妊症の診断に至る場合があります。男女ともに、加齢により妊娠しにくくなりますので、治療をすぐに始めると効果的であることもあります。

    現在では不妊のカップルは6組に1組と推測されています。ご夫婦を取り巻く事情は様々であろうと思います。

    しかし、不妊治療を受けていないご夫婦が、早めに治療を受けていただければ、多くのご家庭で新しい家族を迎え入れる事ができるだろうと考えています。

    卵巣予備能(AMH)検査について

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    女性の社会的進出が著しい現在、女性をとりまく様々な環境も大分変わってきました。
    「結婚はしたけれど、子供はまだ考えていない」とか思っている方も少なくないと思います。
    しかし、卵巣予備能(卵巣の中の卵子の数)は、自分の意に反して、着実に、時間の経過とともに低下していきますので、1年に1度、卵巣予備能のチェックをおすすめいたします。これは採血だけで簡単に調べられる検査です。自分の卵巣がどんな状態にあるのか定期的にチェックし、それと同時に今後の人生設計を再び考えてみるきっかけにしてみてはどうでしょうか。
    血中のAMH(抗ミューラー管ホルモン)値を測定することで卵巣予備能(卵巣の中の卵子の数)を推測できます。AMHは、卵子のもとが排卵のため育ち始めると卵胞から放出されるホルモンです。この値が低ければ卵子の数が少なく、高ければ多くの卵子が残されていることになります。ただ、このAMH値が低いことは、妊娠の可能性が低いことを示しているのではありません。妊娠の可能性のある期間が限られていることを示しています。卵巣予備能を知ることは、不妊治療がいつまでできるかの目安ともなります。

    またAMH値は体外受精時の採卵数によく相関します。治療方針を決定する際に必要な情報としても、当院では皆様にAMH値を測定していただいております。これを参考に、体外受精時にできるだけ多くの卵子を、安全に得られるよう患者様一人ひとりにあった卵巣刺激法を選択しています。

    女性不妊症の検査

    • 01.基礎体温
      朝目が覚めたときの体温の測定をしたものが基礎体温です。朝目が覚めたら、基礎体温計を舌下に入れ測定します。4-5時間の熟睡があれば基礎代謝以外の影響を受けなくなりますので4-5時間の睡眠でも測定は可能です。基礎体温は卵胞期には低温を示し、排卵後の黄体期には高温を示します。低温と高温の差が0.3℃以上なら2相性と判断されます。
    • 02.超音波断層診断
      経膣超音波用プローベの開発により、婦人科領域の診断にはなくてはならないものとなりました。経膣超音波断層診断はプローベと子宮や卵巣との距離が近く、高画質の画像を得ることができます。子宮頸部、子宮体部、卵巣そして卵管の観察が可能となります。経膣超音波用プローベを使用する場合には膀胱を空虚にしてから行います。それに対して、経腹超音波用プローベを使用する場合には膀胱内に尿を貯留した状態で測定します。
    • 03.膣・子宮頸管内の細菌検査
      細菌性膣炎、カンジダ膣炎などを併発していると、採卵、胚移植時に骨盤腹膜炎や子宮内感染がおこる場合があるので、膣培養検査を行った後、治療に入ります。特にクラミジア感染は女性の場合80%無症状です。未治療のまま放置した場合、卵管性不妊、子宮外妊娠、慢性骨盤内感染症の原因となります。子宮頚管部からのクラミジア抗原の検出によりクラミジア感染の有無を確認いたします。治療を行う場合にはクラミジアに感受性のある抗生物質を夫婦で同時期に内服する必要があります。
    • 04.頸管粘液検査
      頚管粘液は、ツベルクリン注射筒を頚管内に挿入し吸引することで測定いたします。基礎体温上の排卵日(低温最終日)の前の2-3日より0.1ml以上吸引可能となります。排卵直前には0.3-0.5ml以上吸引出来ます。スライドグラスに塗抹、乾燥後、低倍率の顕微鏡で観察します。排卵期には植物のシダに似た構造を示すシダ状結晶あるいは羊歯状結晶が認められます。排卵日が近づくと牽糸性が増加し、排卵時には水様透明で10cm以上になります。
    • 05.頸管粘液内―精子通過試験
      精子が最初に通過すべき関門としての頚管粘液と、精子との関係を確認するための重要な指標になります。検査を性交後3-5時間以内に行います。ツベリクリン注射筒で、後膣円蓋の内容液、頚管内、人工授精針を付けて子宮腔内容液を吸引してスライドガラスにのせ、カバーグラスをかけて400倍視野で観察します。1視野中、運動精子が10個以上の場合陽性とし、10個未満の場合は陰性と判断します。
    • 06.女性ホルモン測定
      原則として、月経周期3日目(卵胞期)のホルモン値を測定します。卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、エストラジオール(E2)、プロラクチン(PRL)等の検査を行います。多嚢胞性卵巣が疑われる場合には、この時期にテストステロン(T)や、TRHテスト(プロラクチン値をより詳しく調べる検査)を行うことがあります。この検査によって、不妊治療を行っていく際のおおよその卵巣の状態を確認しておくことができます。黄体期7-10日目には黄体機能を確認するためプロゲステロン(P4)検査を行います。
      最近注目されているものに(AMH:Anti-muralianhormon)があります。卵胞期、黄体期に関係無に測定ができ、卵巣の状態を評価することができる検査です。
      着床障害や流・早産の心配のある方には、甲状腺ホルモン検査を行います。
      甲状腺の機能が亢進していても、低下していても着床障害や流・早産の原因になりますが、治療が可能ですので本格的な治療が始まる前に測定いたします。
    • 07.卵管の通過性
      子宮卵管造影検査は子宮と卵管に造影剤を注入して、レントゲン撮影を行い子宮腔の形態、卵管の通過性や癒着の有無等を判定します。検査の後、卵管の通過性が一時的に改善し、妊娠率が向上する治療効果も期待できる検査です。 卵管通水検査は子宮内に留置したバルーンカテーテルを介し、生理食塩水を注入して卵管の通過性を確認する検査です。頚管から注入した生理食塩水の逆流がなければ卵管疎通性ありと判断します。
    • 08.子宮内膜検査
      子宮内腔(内膜)は受精卵が最終的に着床するところです。この着床を行う子宮内腔に子宮鏡挿入して子宮の内膜の状態または病変を直接観察いたします。子宮頚管を観察しながらスコープを子宮腔内へすすめていきます。子宮腔内の体像を把握し、引き続き、前・後壁、左・右卵管角、左・右卵管口の観察を行います。子宮腔内に子宮ポリープ等の病変があれば麻酔下で切除を行います。病変がなければそのまま終了となります。
    • 09.腹腔鏡検査
      不妊症、不育症の原因を検索するために、腹腔鏡検査を行います。腹腔内を直接観察出来るため治療方針の決定に大きな情報を与えてくれます。
    • 10.CT、MRI検査
      子宮筋腫や卵巣嚢腫の診断に優れています。MRI検査が一般的でありますが腹腔全体を広範囲に検索したい場合や脂肪や石灰化の同定にCTは優れています。また、MRI禁忌患者はCTスキャンによる検査が可能です。
    • 11.染色体検査
      ヒトの細胞の中の染色体の数は46個あります。そのうち44個は常染色体と呼ばれるもので、残りの2個が性染色体と呼ばれ、男女の性を決定しています。染色体の異常は染色体の数の異常と形の異常に分類されます。実際染色体異常が不妊症の原因となるケースは決して多くはなく、一般の女性に染色体異常がみつかる可能性は0.5%前後と考えられています。流産の絨毛染色体検査の結果で染色体異常がみつかる可能性は約70%と考えられています。染色体検査の結果、異常が無く、流産を繰り返してしまう場合は不育症や習慣流産の可能性があります。

    女性不妊の原因と治療法

    • 膣・外陰因子
      膣の欠損、または閉塞。性交は可能である場合が多い。外科的に造膣術を行うことがありますが極めて専門的な治療が必要です。
      処女膜の発育異常、閉鎖、強靭などが性交障害になることがあります。外科的に処女膜の処置を行うことによって治癒します。
    • 頸管因子
      頸管炎に対しては、細菌培養で細菌が検出されたら、細菌に感受性のある、抗生物質を投与します。
      頸管粘液の減少に対しては女性ホルモン製剤の投与を行うことがあります。また、ある種の経口排卵誘発剤によっても頸管粘液の減少が起こることがあります。この場合、経口排卵誘発剤を中止するかあるいは別の種類の排卵誘発剤に切り換える必要があります。
      人工受精を行うことによって、直接精子を子宮腔内に注入します。頸管因子による精子通過障害を回避することができます。
      精子―頸管粘液不適合が存在し、抗精子抗体、精子不動化抗体、精子凝集抗体等が存在する場合には顕微授精での治療が必要になります。
      頚管内ポリープは処置を行うことで治療可能ですが、再発する場合もあり、再発した場合には再度処置を行うことになります。
      子宮内膜炎に対しては、原因菌を同定し、抗生物質の投与を行います。最近では抗生物質に対し耐性のある淋菌や結核等の特別な感染症が見られる場合があります。これらに対しては特別な治療が必要になります。
    • 子宮因子
      子宮筋腫に対して:子宮筋腫の発生した位置において治療法が異なります。粘膜下筋腫は子宮内腔へ筋腫が突出していますので、小さいものであれば、子宮鏡下に摘出することは可能であると考えますが、筋腫が大きい場合は経頚管的子宮筋腫摘出術を行います。
      筋層内筋腫に対して:子宮内膜への干渉が無い場合には、特別な症状が無い限り特に治療は必要ないと考えています。しかし、子宮内膜への干渉がある場合には経頚管的子宮筋腫摘出術や子宮筋腫核出術等の治療を行います。
      子宮内膜ポリープに対しては子宮鏡下に摘出を行います。
      子宮内膜癒着に対しては、癒着部位を剥離あるいは切除を行います。術後の再癒着を予防するため避妊リングを約月経周期2周期の間装着します。
      子宮内膜の受精卵着床不全、いわゆる着床障害に対しましては不育症とも関連がありますので、不育症の項を参照ください。
    • 卵管因子
      不妊の原因の中で最も多いのが卵管因子によるものです。
      比較的軽度な内腔癒着による両側卵管閉塞や卵管狭窄の場合は卵管通水法を行います。排卵前に1-2回、月経周期毎に試行します。約4周期行っても改善が見られない場合は無効と判断します。
      卵管留膿腫や卵管留水腫は卵管の遠位端である卵管采が閉塞することによって起こるとされています。このような場合は腹腔鏡下手術での治療が有効です。
    • 小骨盤内の炎症
      炎症後の癒着、外性子宮内膜症等の治療としては腹腔鏡下または開腹術による癒着剥離を行います。子宮内膜症が原因の場合は内膜症病変の電気凝固を同時に行います。
      卵管癒着や卵管周囲癒着があると考えられる場合には、卵子が卵管采からPick-upされず、卵管内へ取り込めない可能性があるため、一般不妊治療(タイミング療法や人工授精)で妊娠に至らない場合は体外受精や顕微授精での治療を行うことになります。
    • 卵巣因子
      多嚢胞卵巣(PCO)の治療の第一選択として経口排卵誘発剤を使用いたしします。この治療でも良好な結果が得られない場合は低容量FSH持続漸増法や未熟卵体外受精法や自然周期体外受精法での治療法を行っています。十分な卵子が存在していますので、卵子の質を改善し、うまく取り出して、お母さんの子宮に返してあげることができれば、高率に妊娠いたします。最近では糖尿病治療薬でのメトホルミンを投与することによって、PCOの改善効果が認められたとの報告があり、メトホルミンの内服と平行して治療をすすめていきます。
      卵巣腫瘍にはたくさんの種類があります。超音波検査やCT、MRI、また腫瘍マーカー等をチェックし悪性の疑いが無い事を確認します。悪性を疑う所見がなければそのまま不妊治療すすめていきます。また、採卵の邪魔になるような場合には内容を除去してから排卵誘発を行う場合があります。チョコレート嚢胞が存在する場合は嚢胞からサイトカイン等が分泌され、卵胞の発育を阻害する可能性が高いため早期に処置が必要になります。
      視床下部―下垂体系異常による排卵障害では経口排卵誘発剤の投与やFSH製剤やHMG製剤を投与することによって卵胞発育を促し、成熟卵胞を確認した時点でHCGの投与を行い、排卵を促していきます。

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